無題

4年ぶりに開催するという花火大会があった日、わたしは久しぶりに号泣をし、両目を腫らした。ストレスを紛らわすためにドカ食いをしたり過眠をしたりするのはセルフネグレクトの一種だという。わたしが中学生の頃から繰り返す悪癖に、何処かの誰かが名前を付…

無題

3月8日 飢餓バーストだ!と1人パニックになる21時、急いでコンビニでブリトーとハンバーグとロールケーキを買って、品もなくドカ食いをする。落ち着いて一息。飢餓バーストって一般的な用語かと思っていたけど、調べてみたら『ハルシオン・ランチ』という漫…

無題

『あなたはご自分を何だとお思いになっているのですか?』土曜の昼下がり、カウンセラーからの質問。先生、最近、繰り返し自殺する夢を見るのです。先生、春のにおいが過去の記憶を呼び覚まし、わたしの眠りを妨げます。先生、この前性的に嫌なことがあった…

ブエノスアイレスと彼、そしてロンドンにて

2019年の春、ティハニという町に向かう途中で、わたしは香港出身の男性と出会った。名前はホー。彼は香港の銀行に勤めているが、長期休暇を取ってヨーロッパを旅行していた。同じアジア人同士ということもあり、わたしとホーはすぐに打ち解けて、道中を共に…

"Did I forget someone important?"

突然、悲しみの隕石に打たれることがある。そうなると、道の真ん中でも歩みを止めて、そのまま立ちすくんでしまう。周りは薄暗くぼやけて、わたしの存在だけがはっきりと浮かび上がるのを俯瞰的に確認する。そして無性に泣きたくなるのだ。こういうことはわ…

無題

9月23日 生まれて初めてストリップを観に行った。一つひとつに舞台構成があって、想像以上に“観劇”という体験だった。スポットライトに照らされる女体特有の丸みや、肉の下に埋まる骨の動きから目が離せなかった。出演者はAV女優としても活動をしており、帰…

無題

夜の散歩で秋と会う。今年も夏らしいことはしなかった。扁桃腺が腫れて咀嚼しづらいのに、食い意地を張ってパン屋さんでパンを7個も買う。懐かしい人に電話をかける。電話越しのあなたは気が付いていないと思うけど、わたしはあなたと話をしながら、なんだか…

無題

眠る直前までスマホをいじるがゆえに、見る夢が混沌とする。どこへだって行けるのに、どこにも行けない気がするのは、帰る場所を気にしてしまうから。思わず詩的だ、と感想が溢れる市川春子のコマ割り。写真を見返すという行為が苦手だ。想像上のポタージュ…

無題

人前で泣くのを堪えることで、あぁ大人になったなという嫌な実感を得る。息を止めて耐えていると、慟哭した時と同じくらいの息苦しさに襲われて、思わず失笑してしまう。睡眠薬が無いと眠れないという科白が真実になってしまってから、道化が上手くなった。…

無題

好きな曲の意訳と考察 House fire / Someone Still Loves You Boris Yeltsin https://youtu.be/cgN0M3qJ03M この家が焼け落ちないようにやれることはやった でも木の家ってやつは簡単に燃えちまう あぁ、君が僕のことをダーリンって呼んでくれることはもう二…

無題

かつて『自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ』と、茨城のり子が言った。最近、どんどん無感動になってゆく自分に気付いて、心をときめかす何かを意識的に探している。家に引きこもって大好きな映画を垂れ流すのもいいけど、とりあえず土日は外へ飛び…

無題

何にいちいち感動したか覚えておきたいからメモ帳を買ったのに、よくそれを持ち忘れる。代わりのように写真を撮るけど、やっぱり文字の代わりにはならないなぁと当たり前のことを思う 水面。キラキラ反射する様子を動画に収めるのが好きだ 伊達襟が朱色なの…

無題

他愛もない話 ①最近“セントラルパーク”と“カモ”という言葉を続け様に見かける。久しぶりに観返した『アヒルと鴨のコインロッカー』で、サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて』で、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』で(そう言えば執拗に笠原メイが湖でカモ…

無題

馬鹿なことしたなぁと思って始終泣く 2日前の回想を永遠としていられるくらいには、わたしは暇で、愚かで、しようがない人間なのだと思う まるであの国とは違うにおいや空気の感触に戸惑う この間の夕刻、ビルが明るいオレンジ色に染め上げられたのを見た時…

無題

電気を消すとあなたの輪郭だけが確かだった 他の全ては曖昧になって、その中で神経質に響く時計の秒針の音を聞くのが好きだった カーテンの隙間から朝日が漏れて、幻じみた夜が終わる くっきりと露わになった世界を見ると恐ろしいほど悲しくなった 幸福じゃ…

無題

暗闇の中で流すロックンロールはわたしを辛うじて救ってくれないし、返事を待つ時間が地獄のようだからと此方から打ち止めた連絡をまた再開しようとしている気が触れそうな真夜中

08/11/2019

携帯を誰かに盗まれてから、すっかり更新する気を失くしたこのブログを放置して、もうすぐ一年が経とうとしていた 相変わらず訳もわからず悲しい日というのは訪れる 丁寧な暮らしなんてものには程遠い、昼夜逆転生活の方が多いし、昨日もスパゲティを暴食し…

無題

俗っぽい流行りの歌に簡単に涙を誘われ、アイラインは完全に落ちて、最後に我慢していた涙が鼻をかすめる 改札を抜けて数十歩 あの時、振り向いて良かったのだろうか 無邪気さを装って手を振って良かったのだろうか 夜が明けていくのを車窓越しに見ている 最…

無題

「傷付けたくないから」といって不作為の行動をとるのは、きっと怠慢なのだろう 真意を説明する手間を惜しまないことこそが大切だったのだと、後になってようやく気が付く 本当に欲しいものは口に出せなくて、代替品はすぐに壊れる不良品ばかり 人からもらっ…

無題

器量がない分すぐにいっぱいいっぱいになってしまう やらなくちゃいけないことがちゃんと出来ない 手間取ってさらに泣きそうになる 胃がじんわりと痛む 目覚ましの音が聞こえなくなって緑色のカプセルを飲んで私は自分が今何処に居るのかすらも分からなくな…

無題

忘れられない思い出が思い出せない 380000キロ、あの惑星と同じくらい遠いところにそれはある気がする これから過ぎる季節・事象にわたしは何を想い、何に胸を切なくさせ、そして何回それらを忘れたくないと願うのだろう 一体わたしの手元には何が残るだろう…

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なんとなくの寂しさの僻地 そこから抜け出せずにいる25時 解毒の電話 先手を打っておきたいのだ、何事にも いつダメになってしまってもいいように 意味を履き違えた言葉で人を傷付けたり、煽てたり、自分を守ったり、憐れんだり、そうやって積み重ねた間違い…

無題

この時期の朝5時と夕方6時の空の色はとてもよく似ているぼんやりとした水色だ もう暫く泣いていない 俯いて歩く帰路はままあるけれど、ありふれた慰めの言葉を求めることはなくなった わたしの心はいくらか丈夫になった気がしている 嫌いになりたくない人を…

無題

『踊るんだよ』『みんなが感心するくらいに』『音楽の続く限り』 自分がこの世界に留まり続けるため わたしはどんなステップを踏むだろう ちゃんと音楽に合わせて足を動かせるだろうか 途中で諦めたりしないだろうか 『どんな美しいひとも じぶんの嘘に気づ…

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とても怖い夢をみた それがどんなものだったのかは思い出せないけれど ふと、その恐怖の輪郭をなぞる昼下がり 無意識に誰かを傷付けている人を悪だと判断すること自体、烏滸がましいことなのかもしれない だって善悪の分別なんて、そんなものは自分の主観と…

無題

『今、記憶にある限り生まれて初めて生きたい、と思った』 というメモが出てきたけど、それがいつの日のことなのか私は思い出せなかった 例えば誰かと居ると寂しさは紛れるけど、根本的にその寂しさを取り除くには自分で何とかしなきゃいけない そんなことを…

無題

季節の回転についていけない 気がついたら半袖のTシャツを着ていた 12月のクリスマス前の空気がとても恋しい 何をするにもいちいち怖気付いてしまっている気がしている 自分の自尊心がすり減ってしまっている気がしている 何か大切なものを見逃してしまって…

無題

誰が好きだとか、何が嫌いだとか、あれが欲しいだとか、これがダサいとか全部全部どーでもいいと思う でも朝目が覚めるとそれら全てを気にしながら生きている

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午後3時の影と歩く、蹴り飛ばしたくなる新宿の街、ありふれた笑い話に意識して出す優しい声、少しずつけれど確実に分離していく、ずっと埋められない空白、辛い出来事は過去になってからその凶悪性を増して襲いかかるものだと知る、花瓶の中で腐る花、曇天の…

無題

何をしてても気持ちが沈んでしまい、人に会うのが恐ろしくて、呼吸をするのが困難で、食べることすらままならない 悲しいから泣いている 苦しいから泣いている 自分のための涙をゆるしてあげてから幾分か眠れない夜を超えやすくなった それでも、本当はこん…