無題

他愛もない話

 

①最近“セントラルパーク”と“カモ”という言葉を続け様に見かける。久しぶりに観返した『アヒルと鴨のコインロッカー』で、サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて』で、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』で(そう言えば執拗に笠原メイが湖でカモの行方を気にする描写は『ライ麦畑で捕まえて』のオマージュかな)、西加奈子の『舞台』で。わたしは最早NYに行ってセントラルパークでカモを見ることを義務のように感じている

 

②Love is simply the name for the desire and pursuit of the whole : 愛とは完全性に対する欲望と追求である

初めてプラトンの『饗宴』を読んだ時、同性/小児性愛について書かれてある本著を、わたしの知らない愛の話だと思った。けど今なら分かる。愛は愛で、それはわたしの知ってる愛と寸分違わないはずだ

いつか見たインタビュー記事で、AV男優が『セックスとは孤独の克服である』と言っていた。孤独じゃなくなることをある種の連帯、転じて完全と解釈するのであれば、セックスもプラトンの言う愛が根底にあるのかもしれない

ただ完全になりたい故に自分の半身を探すことに躍起になったりするのはまた違うということを『The half of it』を観て知る

「愛とは何か?」

その答えを自分の言葉で語ってみたい、いつか

 

サルトルは地獄を他人に見出し、太宰治は世間を君に見出した

いつだって自分以外ものに恐怖や呵責が反映されるのが常ならば、それらと隔絶されれば完全に幸になれるのだろうか

 

④家から歩いて10分と少しの所にサンドイッチ屋さんが出来た。トンカツとか春キャベツと桜海老とかタンドリーチキンとかお惣菜のサンドイッチもあれば、ホイップクリームに包まれたイチゴ、キュウイ、アップルマンゴーのフルーツサンドイッチもある。そのバリエーション豊かなガラスケースから一つ、二つを厳選して、川沿いのベンチでそれを食べるのが最近のお気に入りの時間だ。穏やかで健康的な気分になれる。そしてそういう気分になれる自分に安心もする

 

⑤ロックバラードが好きだなぁ、としみじみ思った。しゃがれた声の人、もしくは声の低い人が歌っていると尚良い。無骨そうな男の人が優しかったり甘かったりする言葉を選んで、メロディーにして、それを照れ隠すかのようにリズム隊が加わると、まさに完璧だ…!と感じる

 

おしまい

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