無題

かつて『自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ』と、茨城のり子が言った。最近、どんどん無感動になってゆく自分に気付いて、心をときめかす何かを意識的に探している。家に引きこもって大好きな映画を垂れ流すのもいいけど、とりあえず土日は外へ飛び出す。街を歩く。気になるお店でご飯を食べる。喫茶店で本を読む。そうすることで自分の心が少し動くのを感じる。でも騙し騙し自分の心を慰めるような東京での生活に限界を覚えたら、会社を辞めて、海の見える街へ引っ越そうとぼんやり考えている

 

6月5日

発起して街へ飛び出す。クロワッサンが食べたいなあと思いパン屋へ立ち寄るも、それが美味しくなくて凹んだ。新宿御苑を沿いながら信濃町方面へと歩く。明治神宮外苑アイススケート場と信濃町駅前の交番の建築がカッコイイなと思った。

 

6月6日

友人の誕生日にギリシャ料理を食べにゆく。他のヨーロッパ料理と比べて、全体的にサッパリしている印象だった。やっぱりチーズが美味しい。


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6月12日

うまく眠れず、起きても疲労が抜けていない。最近、会社や過去の嫌な記憶に関する夢ばかりみて気が滅入る。2日前は通っていた小学校を放火する夢をみた。自首すればいいものの、警察に捕まったらどうしようと内心ハラハラしながらわたしは普通の生活に戻ろうとしていて、なんだか自分という人間の本質を見たようで、目覚めは最悪だった。夜にメーカーズマークを飲みながら、台湾に住む友達と電話をした。彼女とは留学時代に出会ったので、もう2年直接会えていない。スマホの画面越しに見る彼女のやさしい垂れ目は相変わらずキュートだった。それから『ちひろさん』を読んで夜更かし。

 

6月13日

珈琲を淹れて、パンを齧りながら『ポンヌフの恋人』を観る朝。絶望に近いところに存在する愛ってこんな感じなのか、ときやきやした。ベッドで微睡ながら図書館で借りた平野啓一郎の『私とは何か』を数十ページ捲る。30分くらいお昼寝をした後、少し歩いたところにある銭湯へ向かう。帰り際にコンビニでビールを買って飲み歩く。月曜日のことは考えたくないから、次の土日について考える。美味しい餃子か定食を食べに行きたいな。