あの日々を思い出にするのが怖くて、写真を見返すことが出来なかった
赤い街のにおい、まぶしいくらいの日の光、額を伝う汗、肌の色が異なる人々、空が藍色に塗り替えられていくのを見つめる彼の横顔
ずっとこのままでいられる訳なんてないって、何度もさみしい気持ちになったこと
難しい感情じゃないのに、折り合いをつけるのに苦労して、なんだか歳を重ねるたび不器用になっていく感じがする
ひとたび感傷的な気持ちになれば、それがずるずる長引いてしまう、わたしの悪癖
でも今回ばかりは仕方ない 閉まっておくべきものが多過ぎるから、もう少しだけ夜の慰めにからだを預ける